立地と部屋、イメージと現実のギャップを知ろう
おそらくこれから単身赴任を控えている人は、新居に関してさまざまなイメージを抱いているかと思います。
「こんな部屋で、こんな場所に住みたいな」と想像をしてわくわくしている方もいるかと思います。
しかし、すべてが自分の想像通りにならないこともあります。
イメージを膨らませるのはいいことですが、それで現実とのギャップが大きすぎて、こんなはずじゃなかった。と肩を落とさないようにしてください。
最初はイメージしよう
大切なのは、物件探しと平行してイメージを持つことです。
まだ訪れたことのない場所であれば、どんな町なのかは分かりません。
トラベルガイドブックなどで、赴任先には何があるのか、どんな風にエリアが区分けされているのかなどを調査してみましょう。
例えば東京都の江東区。
新興住宅が建ち並び、国際展示場や東京ファッションタウンなど洒落た近代的な建物があります。
港区からも程近く、またレインボーブリッジを渡れば皇居が見えてきます。
自然に恵まれ、一見すると理想の暮らしが実現できそうですが、しかし実情は異なります。
家賃は15万円を下らなく、電車のアクセスもまだまだです。ゆりかもめ、埼京線、有楽町線がとまる駅は少なく、都心にでるには少し苦労することでしょう。
また、スーパーやコンビニも少ないため、車で少しの距離を走らなければなりません。車を持つと月極めで賃料が発生しますし、維持費も馬鹿になりません。
このように、ガイドブックだけでは分からない暮らしぶりというものもあります。
しかし、最初にイメージを持つことはとても大切です。
なぜなら、人の心理として、物件を選ぶ際は頭の中に抱いているイメージに沿ってエリアや部屋を選出するものだからです。
そのイメージが具体化していればいるほど、不動産屋と折衝しやすく、部屋も取捨選択しやすいということが言えます。
イメージと現実のギャップ
自分がイメージしていた理想の立地、部屋を見つけた。と浮かれてさっそく入居してみたはいいもののの、現実とのギャップに悩まされる人も多くいます。
ここではよくありがちな例を紹介します。
とある単身赴任者はコンビニが近くにある物件を探していました。
なぜかと言うと、その方は毎日夜遅くまで残業しなければならないので、自炊する気力もないだろうと踏んだからです。
また、お弁当屋やスーパーは夜には閉店してしまうので、どうしても24時間営業のコンビニが徒歩圏内に必要不可欠だったのです。
そして、ようやく見つけた物件は、なんとアパートの隣がコンビニという恵まれた物件でした。間取りや家賃も問題なかったので、早速そのアパートの入居の手続きをしました。
しかし、実際生活をしてみると、とても手痛いデメリットがあることに気づいたのです。
確かにコンビニが隣にあるので、深夜の帰宅時にも立ち寄ってお弁当を買うことができますし、生活に必要な日用品はほとんど手に入ります。
その点は非常に便利なのですが、最大の欠点があったのです。それは治安です。
24時間営業のコンビニは大抵が若者の溜まり場となっており、深夜になっても若者たちはコンビニの付近をうろついています。
改造したバイクのエンジン音を意味もなく鳴らしたり、大声で叫んだり、ときにはケンカなんてこともありました。
自分が巻き込まれないように努めても、住んでいる部屋は隣の建物なので否が応でもコンビニを通り過ぎなければなりません。
この方は近くにコンビニという理想の立地条件を見つけましたが、住んでみて初めてそのギャップに気づいたのです。
ロフトとは二階のことで、人一人寝そべることができるくらいの小さなスペース部分です。
洒落た間取りであることと、比較的安い家賃に設定されていることから人気があります。
この単身赴任者もロフトが洒落ていることからこの物件を選びました。
子どもであれば秘密基地にしたり、少なからず自分の部屋という喜びを得ることでしょう。
しかし、実際はロフトの使い道に困ってしまった結果となりました。
なぜなら、ロフトは生活するスペースにしては狭すぎるからです。天井も低く、常に中腰状態です。
本来は一階をリビングスペースにして、ロフトを寝室にと考えていましたが、ロフトは熱が篭っていて眠れる状態ではなく、なおかつコンセントもないため扇風機すら置けないのです。
結局ロフトは物置部屋という形になってしまいました。
このように、立地環境や部屋の間取りに関して、少なからず思い描いていたイメージとのギャップがあることでしょう。
詳しく立地や間取りに関して調べれば、想像していなかったデメリットも事前に分かるかもしれません。
このイメージと現実のギャップを物件選びの段階でどれだけ縮めることができるかということも大切です。